アポスティーユの対象となる書類

この記事の作者は、アポスティーユを含む海外提出用の書類翻訳を20年以上行っています。

アポスティーユの対象となる書類とは

翻訳のお客様から、「提出先から、とにかくこの書類にアポスティーユと翻訳をつけてくれと言われた」と問い合わせを受けることがあります。

また、国や大使館によっては、すべての書類にアポスティーユが必要な場合があります。その理由としては、アポスティーユがホチキス留めしてあれば、その原本書類が本物であるか、ある程度判断できるためです。

アポスティーユ無しで、いきなり日本の戸籍謄本、住民票、婚姻届受理証明書などを外国で提出しても、受け取る側は日本語が読めず、本物であるか分かりません。そのような場合、書類にアポスティーユが添付されていれば、少なくとも、その書類に押された公印(公的機関が押した印鑑)が本物だと分かります。

もちろん、書類に書かれた「内容」が真実であるかは、それだけで判断できないため、わざわざアポスティーユにその旨の注意書きを載せている国もあります。あくまで「内容は知りませんが、少なくとも書類に押された発行者のハンコは本物ですよ」という、日本外務省による認証です。ここで言う「発行者」とは、通常、皆さんの身近ですと、市長さん、区長さんなど、公的機関の長となります。

また、個人の手紙は対象外です。私用で書いた手紙や書類は、外務省でアポスティーユを申請できません。書類に官公署や自治体の長の印鑑が押されていなければ、アポスティーユはもらえません。

アポスティーユの対象となるか、どうやって判断する?

まず、書類を発行した、発行者の印鑑を見てください。その印鑑が、国や地方自治体(市役所、区役所、町役場等)の機関や、役人のものであれば、その書類にアポスティーユを付けることができます。

ただし、名称に「国立」が含まれていても、アポスティーユの対象外となる書類があります。

外務省が公開している下の表を見てください。

(外務省ホームページから引用。2023年2月15日現在)

アポスティーユ対象表1
アポスティーユ対象表1

表を見ていただければ分かるように、国や地方自治体の機関はアポスティーユの対象となります。

なお、ここに「公印確認」とありますが、公印確認については別のページで取り上げます。公印確認を簡単に説明すると、アポスティーユが通用しない国に公的な文書を提出する際、日本外務省で原本に公印確認の印鑑を押してもらい、さらに、それを提出国の在日大使館(領事館)に持って行き、「領事認証」のスタンプ(通常は有料です)を押してもらい、アポスティーユと同じ効果を持たせるものです。

では、教育機関はどうでしょうか?

上の表は、教育機関が発行した書類に関してですが、よく見ると国立高専や国公立大学がアポスティーユの対象外になっています。

機関の名称をよく見ると、独立行政「法人」や、国公立大学「法人」と書いてあり、国の機関とは区別されています。

次は医療機関を見てみましょう。

アポスティーユ対象表3
アポスティーユ対象表3

上の表は、医療機関が発行した書類への対応ですが、先ほどと同じく、独立行政「法人」や、国立大学「法人」の病院は対象外です。

判断に迷う場合は、直接、外務省に電話して聞いてみましょう。聞き方は「○○という機関が発行した書類があるのですが、アポスティーユを付けられますか?」で大丈夫です。

外務省の最新問い合わせ先はこちら https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/page22_000551.html
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